伝え方から始まるベンチャーの組織劣化

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小林です。

先日、経営合宿中に組織が大きくなってきて目指す組織像について考えが合わない人が増え始めているかもしれないという議論になり、あるマネージャーから「社長は社員に綺麗事を言うのがよくないんじゃないか」と指摘され、ハッと我に返った。

確かに本来はこうしてほしい、こう求めているということをぼやかして社員に気を使って発言していた部分はあるなと思い当たる節があった。さらに、考え方を伝える機会も減っているのにも気づいた。

私が求めている組織像はシンプルで、社会的に意義がある仕事に対して成果を上げ続ける会社を作ることが目的。

つまりは、

社員が自律的に活動し、年齢や役職に関係なく、顧客にこたえる情熱と能力(つまりプロフェッショナル)がある人が主導して、圧倒的成長を実現する組織

を作り上げたい。

仲間意識が強い日本的な働きやすい「良い会社」を作りたいわけじゃない。我が社は真に顧客のために高いクリエイティブを発揮し仕事意識が高いプロフェッショナルが集まった組織であると。そのプロフェッショナルがパフォーマンスを出し続けられるように働きやすい環境や仕事をより楽しめる工夫をすると。

つまりこの会社で最も大切なのは真に顧客のためにカスタマーエクスペリエンスを追求して、顧客とともに世の中を変えていけるかどうか。

目指すべき方向性をぼやかして伝えれば、会社の進むべき方向や求める組織像までもぼやかされてしまい、意思統一できず事業スピードが落ちて結果として成果も生み出せない組織に転落していくなと危機感を覚えた。仮に考えが合わない人が増え始めているとすれば自分自身のやり方を改めないと起こりえるなと思った。

そもそも人を大切にするのは経営として大前提。人生で最も多い働いている時間をどれだけ成長機会に変えられるか。圧倒的成長に貢献してもらいながら、成長機会をどれだけ提供できるか。逆に成長意欲がなかったり圧倒的成長に貢献してもらえないのであれば、無理して働いてもらう必要もないと思うしお互い不幸になると思う。

この記事なんてまさしくその通りだと思った。

森川 まず、やっぱり組織は人が重要なので、その人たちによって変わると思うんですよ。その意味だと採用と、誰に辞めてもらうか。これが重要かなと思います。日本の会社はやっぱりちょっと気を使いすぎて、辞めてもらうことに対してすごく抵抗があるんですけど。
ただ組織を良くするためには、合わない人は離れていったほうがお互いにハッピーなんですよね。残って不満を言うとその人も不幸だし、周りの人も不幸じゃないですか。
「同じ会社でしか働けない人は価値がなくなる」DeNA南場氏・元LINE森川氏が語る、新しいワークスタイル

つまりビジョンをぼやかして伝えていると誰も幸せにならないし組織も成長も遅くなる。

ランサーズの秋好さんの記事もとても共感できる。

よく誤解されるのが、何もイエスマンを増やすということではなく、考え方においての分身ということであり、社長にイエスなのではなく、考え方にイエスなのです。創業間もないベンチャーが劣化すくなく組織拡大し、スピード感のある事業展開ができる組織の近道だと思っています。
ベンチャー社長はどういう人を経営幹部にすべきなのか

やはり成長期のベンチャーはどれだけ社長の考え方に近い人を増やせるか、これにかかっていると思う。ベンチャーは考え方が共有できなければスピードが遅くなり競争に負けて死ぬだけだ。

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